日常に潜む些細で不可思議な出来事── あなたは「ふしぎ工房」を見つけることができるでしょうか? <物語> オルゴールの音が流れる。ひとつひとつの音がゆっくりと僕の中に入ってきて、痛んだ心を優しく包んでくれる。大切な思い出……もうあれから何年経つのだろうか? 当時、小学校五年生だった僕は夏休みに母の実家に遊びに行った。山々に囲まれ、空気の澄んだ田舎町。僕はそこで一ヶ月を過ごした。 その時、少女に出会った。僕と同じ年でこの町に引っ越してきたばかりだという。それからは少女と過ごす時間が、僕の貴重なひと時となった。 ──ひと夏の淡い恋。夏休みが終わる頃、少女は宝物のオルゴールを僕に手渡し町を去っていった。 それから十年近く時が流れる。バイクを運転中だった僕は転倒し、以来、後遺症で両足が動かなくなった。リハビリをすれば動くと励まされ、懸命に努力したが、その成果は少しもあらわれなかった。車椅子の生活と足の動かない恐怖感から、いつしか僕は希望を失い、家に閉じこもるようになった。 「どうせ僕なんか……」 大学も辞め、すっかり自暴自棄になった僕は、思い出に浸ることに喜びを見い出すようになった。 そしてある日、引き出しの奥に、大事にしまってもう忘れかけていたオルゴールを見つけた。僕の思いは、少女と出会ったあの夏に行き着いた── 一度母の郷里を訪ねてみようと思い立った。久しぶりに訪れたあの“場所”で、僕が出会ったのは……!?
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大家将 ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE8「オルゴール」 标注为
关联条目
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- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE3「ひとりぼっちの誕生日」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE4「一绪に死んでくれますか?」
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- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE5「カネかえせ!」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE10「最後の願い」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE11「闇」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE12「ありがとう」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE6「クリスマスの出来事」
- ふしぎ工房症候群 朗読CD EPISODE7「妹の遺言」