私、割柏旺橙苺!特に人に自慢するところがない15歳!
中学からの友達と一緒に同じ高校に入学し早半年。
今日もいつも通り休み時間に好きな推しについて友達と話してたらどこかから視線が…。
それだけじゃない!帰り道も、家の前でも同じように視線を感じたの!
これってもしかして……私と推しが同じ空気を感じてついてきてるのかしら!
絶対突き止めなきゃ!オタ友は多いほうが幸せだもんね!
…ってあるぇー?男の子……男の子!?
「あのぅ……これ、落としませんでした……?」
しかもギャルゲの主人公みたいに前髪長い!
今のご時世マスクしなきゃいけないのは分かってるし私もマスクしてるけど
なんか実況動画を投稿してる人みたい!仲良くなったら絶対面白そうな人だよきっと!
「ああー!それ私のだよ!見つけてくれてありがとう♪」
私のではないハンカチを受け取って礼を言う。
そのまま何も言わずに彼が立ち去ろうとしているのを見た私は慌ててこう言った。
「ねえ!今日ずっと私の後ついてきてたよね?ハンカチのお礼もしたいしよかったらちょっとだけ話さない?」
私の言葉に彼はその場で硬直している。
これが彼――病乃末緒くんと私が接触を持ち始めた日のことだった。
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中学からの友達と一緒に同じ高校に入学し早半年。
今日もいつも通り休み時間に好きな推しについて友達と話してたらどこかから視線が…。
それだけじゃない!帰り道も、家の前でも同じように視線を感じたの!
これってもしかして……私と推しが同じ空気を感じてついてきてるのかしら!
絶対突き止めなきゃ!オタ友は多いほうが幸せだもんね!
…ってあるぇー?男の子……男の子!?
「あのぅ……これ、落としませんでした……?」
しかもギャルゲの主人公みたいに前髪長い!
今のご時世マスクしなきゃいけないのは分かってるし私もマスクしてるけど
なんか実況動画を投稿してる人みたい!仲良くなったら絶対面白そうな人だよきっと!
「ああー!それ私のだよ!見つけてくれてありがとう♪」
私のではないハンカチを受け取って礼を言う。
そのまま何も言わずに彼が立ち去ろうとしているのを見た私は慌ててこう言った。
「ねえ!今日ずっと私の後ついてきてたよね?ハンカチのお礼もしたいしよかったらちょっとだけ話さない?」
私の言葉に彼はその場で硬直している。
これが彼――病乃末緒くんと私が接触を持ち始めた日のことだった。