大国「デヤン」は、近隣諸国の明主的な存在であった。時のデヤン王・ギザロフは、国を統べる王としての才覚に秀でているものの、自尊心が極めて強く、小心な男だった。あるとき、隣接する小国「ルセ」の女王・ティアリスが、困窮する自国の援助を求めて謁見を申し入れてきた。絶世の美女として名高いティアリス。ギザロフは、ティアリスに求婚を申し込み、彼女の父王・ゲオールに拒絶された苦い過去があった。現在、ルセが経済的困窮に喘いでいるのは、その報復であることをティアリスは知らない。求婚を断られた屈辱を忘れていないギザロフは、ティアリスに対し、自分を含めた諸国の王たちにその肉体を使って接待すれば援助することを提案するが……。
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