九月。栃木県の奥日光で、十代の美少女たちの失踪事件が相次いでいた。時同じくして、高千穂の事件を機にコンビを一時解消した卓也と薫も、別々に日光の地へ――。卓也は、覚醒した<鬼使い>の力を制御する修行のため。薫は、妹の透子を守り、第四の鬼孔を破壊するため。数日後。彼らは、日光のホテルで偶然、再会する。だが再会を喜ぶ卓也を、薫は冷淡に突き放す。卓也の不安定な<鬼使い>の力が、姫羅盤である透子に影響をおよぼし、覚醒を早めてしまうと……。その矢先、鬼の幻術師の急襲にあい、透子が連れ去られてしまう。手がかりは、奥日光に棲むといわれる鬼女・白妙――。救出のため山奥へと分け入った卓也たちは、そこで鬼女伝説の千年前の『物語』の幻覚に呪縛される。それをきっかけに卓也が、次に透子が力を覚醒させてしまう!!――戦う相手は、自分自身に課せられた宿命。はたして薫は、二人を止められるのか!?
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